作業療法士の発達障害と向き合う日々

まだまだ経験の少ない作業療法士ですが、頭の中は子供たちの事でいっぱい、、、根拠ある作業療法とは何なのか、日々格闘中!!

あれ?うちの子動きが変!

安定して暖かくなってきましたねヾ(●´∇`●)ノ
この木漏れ日が、お出かけ欲をそそります。


さて、運動会の練習をなんなくこなせるようになってきた今日この頃。次のステップに気づき始めますね(* • ω • )b


「あれ?うちの子、なんか動きが変!みんなと違う…」


大丈夫です。運動音痴の遺伝でもなく、当人がふざけてるわけでもないんです。


発達障害の子に良く併発します、協調運動障害が原因かもしれません。実は、手の不器用さもここからきているものもあるんです。


協調運動障害とは、身体に麻痺や欠損などが無いにも関わらず、粗大運動や微細運動が上手くいかず日常生活に支障をきたしている状態です。


運動会に限って言いますと、
「行進で手と足が揃ってる」
「ラジオ体操で手と足がバラバラに動く」
「踊りがワンテンポ遅れる」
「振り付けがなかなか覚えられない」
「組み体操の姿勢が保てない」
「走り方が変」
などなど。


詳しく説明すると、協調運動障害に合わせて筋肉が働きにくい低緊張さも関係しているのですが、、、

どうすれば、彼らの運動を協調させてあげられるか(。`・ω・)9"


元に帰れば、そもそも、運動出来ないんじゃなくて、運動がわからないのかもしれません!


それには、bodyimage、bodyschemaが関連しているのです。(また難しい話が出てきましたが、後もう少しお付き合いください。)
bodyimage、bodyschemaの使い分けに関しては、近年討論されており、難しい所です。ここでは、bodyschema(ボディスキーマ)を使います。


さてさて、ボディスキーマとは、私達が運動を行うために必要としている感覚のことです。誰しもが持っています。もちろん、発達障害の子だって。

ボディスキーマはスポーツなどの運動だけでなく、日常生活のちょっとした動作にも影響しています。

例えば、少し先のテーブルの上にあるコップを取ろうと手を伸ばします。どのくらい前かがみになって、手をどのくらいの距離どの方向に伸ばすのか。瞬時に過去の記憶と照合し無意識のうちに脳で計算し運動に移しているのです。


私たちが運動する上でとっても大切なボディスキーマ。生まれてきてから現在進行形でそれは形成されているのです。発達障害の子たちは、このボディスキーマが歪んでいるのです。


とりあえず、模倣が苦手。。。
目の前の人がしているポーズを自分の身体に置き換えて同じポーズをとる。やってるつもりなんですけど、微妙に関節の位置が違う。
ラジオ体操や踊り、組体操なんかは、この模倣が出来なければ難しいですよね。


どうすれば良いのかと言うと、
口で「あーして、こーして、そうじゃない!」と指導するより、実際のポーズや動作を手取り足取り、一緒にしてあげるとわかりやすいです。1回でわからなければ何回も。文字通り身体で覚えさせてあげる。そう、新しいボディイメージを作ってあげるのです。


さらに、私たちは当たり前に獲得している運動のコツを、教えてあげます。すごく簡単なコツが掴めないために運動を苦労しているのです。
例えば、片脚で飛行機のようなポーズをする組体操ありましたよね。あれがなかなか出来なかった男の子がいたんです。
そこで、少しのコツを教えます。
・支持する足の指を大きく開く
・支持する足の膝を伸ばす
・目線は真っ直ぐ前を見る

これを伝えて数回練習すると見違える程、上手くまりました。


このコツを見つけて伝えるには、ひとりひとり運動のクセが違いますから評価して行わなければなりません。
このコツがバシッと決まると達成感感じまくります。やってて良かったなと思います。


協調運動障害。語れば語る程深い。たかが運動。されど運動。
「運動出来なくったって人生あまり変わらないよ~」
あなどってはいけません。運動と社会性、コミュニケーション、深く関わりがあるのです。


この分野は、実は私の大好きな分野。またお話しましょ~(^_-)-☆
それでは、みなさんの運動会成功を祈って(^O^)/


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